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ルール解説:基本ルール

試合の進めかた

■はじめに

アメフトは肉弾戦と思われがちだが、実は緻密な戦略ゲームである。

4回の攻撃権で10ヤード進む=DOWN(ダウン)制。これがアメフトの最も基本的なルールとなる。オフェンスにはまず4回の攻撃権が与えられ、その4回のうちに10ヤード以上進むと、新たに4回の攻撃権が与えられる。オフェンスはそれを繰り返しながら相手エンドゾーンを目指し、TD(タッチダウン:6点)やFG(フィールドゴール:3点)を狙う。逆に、4回のうちにボールを10ヤード以上進めなければ、その時点で相手チームに攻撃権が移ってしまう。言いかえれば、野球でいう3アウトが、アメフトでは4アウトになっているといえる。※ 10ヤード=9.14m

基本情報

■フィールド

フットボールとは陣地を争うゲームである。ボールを持って攻撃する側(オフェンス)はタッチダウンまたはフィールド・ゴールと呼ばれるキックによる得点を目指して、相手陣地の最後にあるゴールラインの向こうのエンドゾーンめがけてあらゆる手段、主にパスまたはランを使って前に進もうとする。対する守備(ディフェンス)は、相手の作戦を読み、少しでも相手をエンドゾーンから遠ざけようとする。オフェンス、ディフェンス共に1プレイ終わるごとに冷静に状況を分析し、それに応じて次の作戦を立て、それぞれの選手が正確に作戦に従いプレイする。オフェンス、ディフェンスともに11人の選手から構成される。


プレイの行われるフィールドは、長さ91.4メートル、幅48.8メートル。
これに加えて長さ9.14mのエンドゾーンが両サイドに設けられる。

■試合時間

1Quarter(クォーター:Q)15分×4Q=60分

○ 前半 = 第1Q + 第2Q
▲ ハーフタイム = 12分
○ 後半 = 第3Q + 第4Q

第1Q終了時、第3Q終了時は、両チームの陣地が入れ替わり、プレイは第1Q、第3Qが終了した地点からそのまま継続して行われる。また、第2Q終了(=前半終了)後にプレイはリセットされ第3Q開始(=後半開始)は、試合開始とは逆のチームのキックオフにより再開される。ちなみに、NFLのみならずアメフトでは、ハーフタイムショーなど様々な演出が施され、会場の雰囲気に華を添える。

※ 日本では通常1Q=12分でプレイする。
※ 実際の試合は途中で時計が止まるなどするので、2、3時間かかる場合もある。

■プレイヤー

アメフトは1ダウンにつき1チーム11人でプレイする。ただし、選手の交替は自由に行うことができ、1度ベンチに下がった選手も、何度でも試合に戻ることが許されている。なので、チームは通常11人以上の選手を保有し、オフェンス、ディフェンス、スペシャルチームなど、状況によって出場させる選手を使い分ける。ちなみに、NFLでは1チーム53人まで選手をロースターに登録して保有できる。1試合に出場できるのはそのうち45人。

試合の流れ

■キックオフ

キックオフチームのK(キッカー)は自陣35ヤードから相手陣深くを狙ってボールを蹴り、リターンチームはそのキックされたボールをKR(キックオフリターナー)がキャッチして、次のオフェンスを少しでも相手陣エンドゾーン近くから開始させようと、陣地回復のためにボールを持って走る。KRがキックオフチームのSP(スペシャルチームプレイヤー)に止められた地点でプレイは終了となり、そこからリターンチームがオフェンスを開始する。試合開始時にキックオフを行うか、リターンを行うかの選択は試合前のコイントスによって決定され、後半は試合開始時とは逆のチームがキックオフを行うことで開始される。

■ボールの進め方

オフェンスは相手陣内のエンドゾーンに到達しようと少しでもボールを前に進めようとする。オフェンス側はボールを持つと4回の攻撃権が与えられる。その4回のうちに10ヤード以上ボールを進めるとファーストダウンとなり、さらに4回のダウンが与えられる。もし4回攻撃を終えて10ヤード進めていない場合、その時点で攻撃権は相手チームに移る。攻撃側はこの4回のダウンを第1ダウンを取り更新することで、相手陣内のエンドゾーンに近づいていく。

■得点

得点をする手段は4つある。

タッチダウン(TD) ── 6点:

タッチダウンは相手のゴールラインを、ボールの先端が通過した時点で得られる。走ってボールをエンドゾーン内に持ち込んだり、エンドゾーン内でパスを受け取ることでTDとなる。また、ボールを持っている選手が落とした(ファンブル)ボールを相手のエンドゾーン内で押さえても(リカバー)TDになる。TDをすると自動的にエクストラ・ポイントもしくはツーポイント・コンバージョンで追加点を上げるチャンスが与えられる。

エクストラ・ポイント/ツーポイント・コンバージョン ── 1点/2点:

TD後、オフェンスはエクストラ・ポイントをするかツーポイント・コンバージョンをするかを選択する。ほとんどの場合エクストラ・ポイントを選択し、ボールは15ヤード地点におかれる。フィールド・ゴール同様キックがゴールポストの枠内を通過すれば1点が与えられる。状況によってはツーポイント・コンバージョンを選択する。この場合、ボールは2ヤード地点に置かれ、TDをしたときと同様にパスかランでボールが相手ゴールラインを超えれば2点が与えられる。

フィールド・ゴール(FG) ── 3点:

フィールド・ゴールは、通常、オフェンスが相手エンドゾーンに近づいているが第4ダウンを迎えてしまった場合に選択される。キックしたボールがエンドゾーン後方にある、ゴールポストの枠内を通過すれば3点が与えられる。フィールド・ゴールを失敗すると相手はボールが置かれていた地点(相手陣20ヤード以内で蹴った場合は20ヤード地点)から攻撃を始められるため、通常、キックが成功すると判断される、相手陣内の40ヤード以内まで攻め込んでいる場合にフィールド・ゴールが選択されるケースが多い。

セイフティ ── 2点:

いわゆる自殺点。セイフティはオフェンスでボールを持った選手が、自陣のエンドゾーン内でタックルされて起こる場合が多い。セイフティになると、セイフティを取られたチームのキックで試合が再開される。

■各プレイの開始

オフェンスの各プレイはスナップで始まる。ボールが置かれた位置(スクリメージ・ライン)でクォーターバック(QB)が大声で合図を叫ぶと、QB正面に位置するオフェンス・ラインの真中の選手(センター)が足の間からQBにボールを手渡すか投げるのがスナップである。オフェンスの中心的役割を果たすQBは、ボールをもらうと他の選手にパスをするか、手渡すか、自らを持って走るかの選択がある。


ボールの置かれた地点がスクリメージ・ライン。

■各プレイの種類

ランプレイ:

ランプレイでは、RB(ランニングバック)を中心としたボールを持って走る選手たちが、時には迫りくるディフェンスを鮮やかなステップでかわし、そして時にはパワーで蹴散らしながら、前進を狙う。OL(オフェンスライン)ら、ボールを持たない選手たちはディフェンスをブロックしてボールを持って走る選手の走路を切り拓くために奮闘する。ボールを持って走る選手がディフェンスに止められた地点から次の攻撃が開始される。
ちなみに、空中戦を挑むパスプレイの方がロングゲインの確率は高いが、ボールをキープするという意味では、パスによってボールが一時的にフリーな状態になる危険のないランプレイの方がより確実だと考えられている。


各選手がボールを持つ選手のためディフェンスをブロックしているのがわかる


QBの豪腕から放たれるパスはNFLの醍醐味のひとつ。

パスプレイ:

パスプレイでは、パスをキャッチするためにあらかじめ決められたコースを走るWR(ワイドレシーバー)を中心とするレシーバーたちを狙って、QBがボールを投げる。パスをキャッチしたレシーバーがディフェンスに止められた地点から次の攻撃が開始される。逆にレシーバーがボールをキャッチできずパスが不成功に終わった場合(=パス・インコンプリート)は、そのプレイのスナップと同じ地点に戻り次の攻撃が開始される。
ちなみに、QB以外の選手がパスを投げることも可能だが、前方へのパス(=フォワードパス)は、スクリメージラインよりも後ろからしか投げられず1プレイで1度しか許されない。ただし、アメフトではラグビーと同様に後方へのパス(=ラテラルパス)は何度でも認められている。

パント:

パントとは、攻撃権を放棄して行う陣地回復用のキックである。第4ダウンにそのまま攻撃をしてファーストダウンをとれなかった場合、相手にとって都合の良いポジションから攻撃を始められてしまい得点されやすくなる。パントをすることでそのリスクを避け、相手の攻撃を自陣のエンドゾーンからより遠い地点から始めさせられる。パントでは、オフェンス側はパント用のスペシャル・チームがキックオフ同様、相手陣内めがけてボールを蹴り、ディフェンス側もパント・リターン用のスペシャル・チームがボールを少しでも前に進めようとする。

■プレイの終わり

ディフェンスはボールを持った選手を倒すことで、相手が自陣のエンドゾーンに向かって走って行くのを止めることができる。タックルをしてボールを持った選手の膝が地面につくか、フィールド外に出た時点(アウト・オブ・バウンズ)で1つのプレイは終わる。

■ハドル−作戦会議

プレイが終わると、次のプレイを始める前にオフェンス、ディフェンスともに作戦会議(ハドル)を行う。ハドルでは状況に応じて、あらかじめ決められた300近くのプレイの中から次のプレイを選択する。それぞれのプレイでは個々の選手の動きが決められている。ラン・プレイであれば、RBはどういうコースを走って、その走路を作るために他の選手はどの選手をブロックするか、パスであればWRはどういうコースを走ってどの地点でパスをもらうかまで決められている。


各プレイの前にはハドルが行われる。

フォーメーション:

オフェンス、ディフェンスともプレイ開始時には、作戦に応じた隊列(フォーメーション)を組んでいる。例えば、短い距離を確実に進みたい時はブロックする選手を増やしたり、長い距離を稼ぎたい時にはWRの数を増やしたりする。ディフェンスもパスが予想される状況ではWRをカバーする選手を増やしたり、ゴール前では前の方に選手を集める。

■第4ダウン終了前での攻守交替(ターンオーバー)

ターンオーバーはディフェンスの夢であり、オフェンスにとっては悪夢だ。攻撃中に次の2つのうちどちらかが起きると、その時点で攻撃権は相手チームに移る


ファンブルで試合の流れが一転することもある。

ファンブル:

ディフェンスの選手は、オフェンスのボールを持つ選手にタックルする際、ボールを叩き出すなどして相手のファンブルを狙う。ファンブルとは英語で「ボールを落とす」という意味で、ファンブル状態にあるボールは、その瞬間はどちらのチームにも属さず、先に確保した(=リカバー)チームが攻撃権を獲得する。
オフェンスがファンブルを犯した場合オフェンスがリカバーすれば、そのまま次の攻撃権に進むだけだが、逆にディフェンスがリカバーすると、その瞬間から攻撃権は新たにディフェンスのチームに移る。そのため、ディフェンスにとってファンブル・リカバーは起死回生のリターンTD(タッチダウン:6点)も狙えるビッグプレイとなる。

インターセプト:

オフェンスのパスプレイにおいて、すでにQBのパスによってボールが空中に放たれている場合、ディフェンスの選手は、オフェンスの選手に対するタックルというよりも、ボールに対するディフェンスを行い、相手レシーバーがキャッチする前にボールの横取り(=インターセプト)を狙う。
インターセプトが起きた瞬間に、攻撃権はボールを奪ったディフェンスのチームに移る。そのため、ディフェンスにとってインターセプトは起死回生のリターンTD(タッチダウン:6点)を狙えるビッグプレイとなる。

■反則

ペナルティをされたチームは、そのペナルティによる相手チームの罰退を受け入れるかどうかの選択ができる。場合によっては、相手チームの罰退により与えられる距離よりもペナルティをされながら獲得した距離の方が長いこともある。ちなみに、ペナルティを受け入れた場合はそのプレイで使用した攻撃権は戻されるが、受け入れなかった場合は通常通り、次の攻撃権に進む。

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